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Doughnut (ドーナツ)
 最近はずっと旅行かロンドンのことばかり書いて「本当に仕事してるの?」という声もちらほら聞こえてくるので、久しぶりに仕事関係(ボーナス)について書いてみます(笑)
 
 外資系金融の世界では年1回。会社によって時期は異なりますが、11月決算のところで、12月から1月、遅くとも2月から3月初旬に掛けてボーナスが支給されます。

 以前にもこのブログで述べていますが、日系と異なり、成果主義が基本で、フロントであれば自分が稼いだ収入の数%から数十%、または部署、部門などの成績に連動して払われます。また自分で収入を生まない間接部門であれば、年収の数%から数十%と、部署、役職、成果によってその割合は様々です。

 外資系企業においては年功序列等の概念は基本的に薄いため、どの人がどれくらいのボーナスを貰っているのか全く不明です。またボーナスや給料の額を他人漏らすことは禁じられているため、いくら仲の良い同僚であっても、どれくらい貰っているかは、全く分かりません。従って、どの程度の生活レベルなのかを基準に、探りを入れたりしながら、推測するしかありません。只ヘッドハンターなどは仕事内容、ポジション、会社ごとにボーナス・給料のデータベースを持っているため、彼らを通じて、マーケットにおいてのおおよその額(ボーナス・給料とも)は分かります。

 今年の業績は各社とも非常に良かったため、景気のいい話があちこちで聞こえてきます。私の関わっているビジネスも比較的良かったので、期待が膨らみます。そしてボーナス発表の日。この日は一年で一番重要な日。まさに「審判の日」です。個別にマネージャーの部屋に呼び出され、ボーナスと今期の年棒について告げられます。私は期待通りの結果に満足。フロントの人達もにこやかに笑っているので、「みんなハッピーなんだなぁ」と思い、その日を終えました。

 ボーナスが実際に支払われるのは、それから約1ヵ月後。その時点に会社に在籍していなければボーナスを受け取る権利は発生しません。そして支払日。午後からやたらとフロントが騒がしい・・・「これは?」と思ったら、案の定、ボーナスを不服として辞めるというではないですか。うーんよーく見たら至るところで辞めているようです。しかもある部署ではチームごと。いろいろ聞いてみると、予想以上にボーナスが少なかったようです。しかもその中には「Doughnut」の人も少なからずいるとの事。「ドーナッツ?」と聞き返すと指を丸めて「ゼロ。穴が開いているでしょ」。まあボーナスがゼロであれば、会社から「辞めてください」と間接的に言われているのと同じなので、しょうがないですね。
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 ということもあり、マーケットではボーナスがアナウンスされる2月から3月に掛けて一番転職活動が活発になります。そして支払日に会社に退職の旨を告げ、そのまま次の会社へ。私の周りでも一緒に仕事をしていた人が次々と辞めてしまいました・・・・・(悲)
 
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 ちなみに今年のボーナスの平均支給額、ロンドンのCityでは£23,000(約460万)。しかも100万ポンド(約2億円)を超えてるボーナスを貰っている人も3千人以上いるとの事。またNew YorkのWall街では$125,500 (約1,400万)。これらの数字はフロントだけなのか、ミドル・バック合わせた全部なのか分かりませんがフロントだけであれば少なすぎるので、全体でだと思います(でもドーナツの人もいたらそうでもないのかも?)
 それにしても2億円もボーナス貰ったら、翌日から会社行くの辞めますね。まあそんな日は永久に来ないですが・・・・(笑)
by kumasan_life | 2006-04-06 22:43 | 外資系金融 (14)
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